今日は2023年8月12日。暑い日が続きます。熱中症に気をつけましょう。夕方になると妙にクラクラしたり、力が出なくなったり少しだけ気分がすぐれなくなったりします。疲労が貯まっているのでしょう。室内であってもこまめに水分をとり、時間が来たら昼食をとり、ときどき休憩をとりましょうね。

熱中症対策でスイカを食べる

さて、今日のお題は和製英語ではなく、「キモチ悪い日本語」です。
油断していると洗脳されてしまいますよ。

顧客に寄り添うあなたに寄り添う

あなたらしくじぶんらしくわたしらしく

背中を押す
(東尋坊でですか?)

立ち位置
(お隣の国のメディア、中央日報日本語版に頻出する「立場」という言葉も気持ち悪いですが。「立場文」という言葉に至っては最悪です。)

自分軸

かもだけど

かと。

…になります。

に向き合う。

気色悪い日本語オエッ

気色悪いです。おおお。

プロフェッショナルの翻訳業の人になりたい方は、日常的な言葉づかいに敏感になっておいた方がいいです。昔のひとは、これを「捨て目が利く」と表現していたようです。
こういう気色悪い日本語をなんとも思わなくなると、他人さま(ひとさま)の翻訳結果を読んで報酬をいただいているとき(プルーフリーディングとか、チェッカー稼業と呼びます)に腕がなまります。

一方、和製英語は私にとってもある意味メシの種です。ハイタッチとかペットボトルとかベンチャー(企業)とかSNSとか「WebサイトのWeb抜き」とか。メリットとデメリットとか。ピンチとか。「フリー」(のジャーナリストとか、例えば)。(写真やビデオの)ピントとか。(タイヤが)パンクとか。ショートケーキとかホットケーキとか。サラリーマンとか。コンセントとか。ホッチキスとか。ハイテンションとか。
和製英語って、ちょっと面白いですしね。愛嬌がありますよ。

しかし、すでに冒頭で列挙したような気色悪い日本語は、プロフェッショナルの翻訳業の人にとって「百害あって一利なし」です。身を晒し続けていると感覚が麻痺して、いつか自分も使いかねない。
…というのもありますが、プルーフリーディングやチェッカー稼業をしていると些細な違和感は重要なんです。
チェッカーとして私が「おかしいな、この英訳された文章?」とひっかかって、和文原稿をもう一回読むと、原稿が誤字脱字の宝庫だったり、気色悪い(流行っているだけの)日本語だったりします。結構そういう「事故」はあります。人間が書く文章なので、和文原稿が間違っていることだってあるのです。これは翻訳者さんの責任ではない。
基本的に。
でも、さすがに財務・経理の人が書く和文原稿と、コンサルティングファームの人が書く和文原稿と、弁護士の資格を持っている人が書く和文原稿は、だいたい間違いがないです。
やはり、量が質をもたらすってことなのでしょうか。あるいは上司や先輩や師匠がきちんと訓練をしてくれるのでしょう。