今日は2023年10月12日。やっと夏が終わり、個人の翻訳事務所ヒノトリホンヤクの本店がある東京都日野市は、秋晴れの快晴です。

hp X360 11-ab000はFreeBSDをインストールして楽しむために中古で買ったラップトップPCなのですが、買って半年くらいしか経っていません。買ったときのブログはこんな感じです。

中古で買ってFreeBSD(実はNomadBSD+Openbox)をインストールして、半年しか経っていないのですが、最近妙に調子が悪くなってしまいました。たぶんFreeBSD 13.1-RELEASEから13.2-RELEASEにマイナーバージョンがアップグレードがあったので、それに合わせてfreebsd-updateコマンドを使ったあたりで何かを間違えたのだと思います。

きっとなくても生きていけるアプリケーションを気まぐれにインストールしてしまったのだと思いますが……。影響を受けてQtのライブラリが一部でアップデートされてしまい、依存関係が破綻してしまったのでしょう。
ディスプレイマネージャーのSDDMが機能しなくなり、グラフィカルログインが失われました。

続いてWebブラウザがほぼ全滅。FirefoxもFalkonも、何故かmidoriまで挙動が不審です。Firefoxにいたっては起動すらできません。
西暦2023年、クラウドの時代です。Webブラウザが使えないPCは、かなりキツイです。
VLCなどのビデオプレイヤーも、Sayonaraやcmusなどのミュージックプレイヤーも、起動せず。
道楽のPCとしては致命的ですね。(本当は、cmusなんてコンソールベースのミュージックプレイヤーです。Qtのライブラリが変わったくらいで不具合が起きて再生できないのでは、困るんですが。)

非常に使いにくい(あるいは事実上使い物にならない)状態でした。

話は前後しますが、hpのX360 11-ab000はタッチスクリーン液晶搭載のこんなラップトップPCですよ。

 

hp X360 11-ab000 laptop  PC with FreeBSD 13.2-RELEASE

今年の早春にハードウェアを中古で買ってFreeBSDをインストールして、10月には非常に使いづらい状態にトラブル発生とはお恥ずかしい限りです。でも、こういうアクシデントが起こって「さて、なんとか現役に復帰させてみますか」と思えないようでは、FreeBSDでOSの学習や遊びをするべきではありません。

現実を直視して、あきらめずに学びつづけましょう。

結局FreeBSDをあきらめるかわりに現状のシステムをあきらめました。
NomadBSD 131Rを入れたUSBメモリドライブを探し出して、クリーンインストールです。

余談ですがhp X360 11-ab000のホームディレクトリに保存した壁紙、音楽、ビデオなどのデータはまたそろえるのが面倒です。Qt5のライブラリの関係が破綻して、なんとDSBMDまでがX Window System上で機能しなくなっています。困りました。
SynologyのNASにFirefoxでアクセスし、NASのWebDAV専用のディレクトリに大事なデータのコピーを保存しようとも思ったのですが……。ホラ、Firefoxを始めWebブラウザが全滅してるじゃないですか。お手上げが近いですよ。

今回は、SynologyのNAS上から共有ディレクトリをNFSで公開してしまうことにしました。
NAS上でディレクトリ公開の手続きを済ませれば(NASのGUIセットアップ画面がけっこうよくできているので、仕組みをある程度理解していれば簡単です)あとはFreeBSD側(hpのX360です)からコマンドラインでマウントしてしまえば一気に問題解決です。NFS自体はかなりプリミティブな仕組みなので「枯れていて」、あまり失敗しません。
FreeBSD側でターミナルから sudo mount -t nfs 192.168.0.256/xxxxxx/xxxxxx 以下略などとコマンドを叩いてやると、すぐにNFSの共有ディレクトリをローカルにマウントできました。
はい、ここで余談はおしまいです。

OSをクリーンインストールしたあとも、直後に自分の好みのアプリケーションをpkgでインストールしていくと、またしてもQt5のライブラリの依存関係が破綻してしまいました。
なぜこうなるかというと、推測ですがNomadBSDを使っているのでインストーラのイメージを開発者さんたちが作った時点である程度SDDMやDSBMDやFirefoxやVLCなどなどのパッケージがプリインストールされているからのようです。
イメージファイルのビルドから時間が経っているので(10か月くらいです)、今から他のアプリケーションをpkgでインストールするとQt5ライブラリへの依存関係が辻褄があわなくなるのでしょう。

 

今回の教訓。

NomadBSDをインストールしたら、システムのカスタマイズや好みのアプリケーションをpkgでインストールするのは後回しにしましょう。

(1) まず、freebsd-update セキュリティパッチを当てる。
freebsd-update fetch という例のやつです。

(2) 次にマイナーバージョンアップグレードを実行。
freebsd-update -r 13.2-RELEASE upgrade という例のやつです。
上記のコマンドに続いてfreebsd-update install を実行し、リブートし、再び freebsd-update install を実行する、例のあれです。 手間がかかるのですが、それがFreeBSDの楽しいところです。

(3) OSが最新の状態にアップデートされたら、pkgのデータベースと、プリインストールされているパッケージを全部アップデートします。
pkg update -f
pkg upgrade
という感じです。かなり時間がかかります。

(4) それが終わったら、OSの再インストールが終わったと解釈して良いです。
ロケールの設定、フォントのインストール、アイコンなどのテーマのカスタマイズ、Openboxメニューの調整をします。最後のさいごに、好みのアプリケーションなどのパッケージをインストールします。

今回は、上記のステップに従ってセットアップを行ったらFirefoxもSDDMもDSBMDもsmplayerも正常に使えるようになりました。

本当のことを書くと、(3)が終わったところでターミナルエミュレータのsakuraもFirefoxも起動しなくなってしまいました。かなり絶望しました。
端末でコマンドも叩けないというのは、もう「詰み」寸前です。
でも、涙をふいてあきらめの悪さを発揮しました。
NomadBSDにデフォルトでインストールされている、pkg管理のGUIアプリケーション octopkg を使いました。
こいつのGUIからsakura端末エミュレータとFirefox Webブラウザを再インストールして、リブートしたらまたsakura端末エミュレータが帰ってきました。端末とWebブラウザがあればなんとかなりますよ!

こうして、hp X360 11-ab000にNomadBSDが帰ってきました。

オマケとして、あろうことか、hp X360 11-ab000のタッチスクリーンまでが機能しています。
FreeBSDで、ですよ?

これは、すごいことですよ。わかる人がわかってくれればいいですけど。
証拠のビデオをお見せします。(私は、YouTubeで公開されているビデオを「動画」と呼ぶのに抵抗がありますので、好きにやらせてもらいます。)

NomadBSD (FreeBSD 13.2-RELEASE+Openbox)でタッチスクリーンオペレーション成功。

皆様も、楽しいFreeBSDライフを。