マンホールもガソリンスタンドも和製英語じゃなかったとは怖い蟹
今日は2022年7月26日、雷雨が来そうです。(個人の翻訳事務所ヒノトリホンヤクの本店がある東京都日野市の場合)
いかにも和製英語っぽいと思っていたのですが、マンホールは和製英語じゃなかったというお話。
少なくとも英語の元祖英国ではmanholeで良いです。
これこのとおり。
https://www.metrorod.co.uk/about-us/news/what-is-a-manhole/ から拝借しました。感謝しています。
自動車製造業の業界に海外営業スタッフとして勤務していたとき、インドから来たお客さんに、マンホールに似たものを説明するときにhuman access holeということばをとっさに使った記憶があります。だって、マンホールっていかにも和製英語っぽいな、と瞬時に判断したんですよ。
なんとなく、マンホールの響きからして建設土木系の和製英語っぽいじゃないですか。「ゼネコン」とか「マンション」とか「リフォーム」とかみたいな。
でも、manholeって和製英語じゃないんですね。少なくとも英語の元祖英国ではmanholeで良いそうです。
和製英語っぽい言葉の世界は奥が深いです。「ぜってぇ和製英語だろ」と確信していた「ガソリンスタンド」も昔のアメリカでは使われていたそうです。輸入したときには米国製だったということです。
但し、ガソリンスタンドは、原産国のアメリカではとうの昔に死語になっているようです。純正の英語(米語)由来だからといって勘違いしてみだりに使用するのは控えましょう。
和製英語といえば、怪しい英会話スクールの資料に「バイクも和製英語」と断言しているものがありますが、これは言い過ぎです。もっと言えば雑です。
バイクはオートバイとも呼ばれていますが、これもまた和製英語。英語のbikeは自転車になってしまいます。英語ではmotorbikeと言いましょう。
出典はヒミツ
まーた勝手に、根拠もないのに。思い込むのは自由だけど、偉そうに他人に教えるのはどうかと思いますよ?(笑)
bikeと言うと自転車を意味することが多いのは事実ですが、アメリカでもヒゲを生やして腕にタトゥーを入れた、レザージャケット着たなんならゴジラが大好きな怖い二輪車乗りのお兄さんたちを、バイカー(bikers)っていうじゃないですか。彼らが乗っているのは自転車なんかじゃないでしょ。空気読みましょう。
それから、昔から自転車じゃないモータースポーツでSuperbikeってあるじゃないですか。
「英語のbikeは自転車になってしまいます。」って、断言すると現実を説明できなくなるでしょ。「こちらコーヒーになります」じゃあるまいし。それでよく他人に言葉を(中略)。有料で。
さて、インドから来たお客様に、マンホールに似たものを説明するときにhuman access holeと言った件ですが。なぜそんな昔のことを覚えているかって?(1994年ころのことです)
だってインド人のお客様ですよ。インディアンノッドはするし、彼らが仕事中にcylinder headのことを言ってると「しりんでるへっ」としか聞こえないし。(尻ん出るへっ?)
こちらが、気を利かせてオートバイのことを「モーターサイクル」と言っても「ああ、two wheelersのことか」っていう反応が返ってくるんです。
結局、human access holeとかとっさに考えて、「駆け出しの海外営業メンだけど、我ながら気が利くよな」と自画自賛していたから、いまだに覚えているんでしょう。いい気になってるな、という感じですが。(若かったんですよ。大目に見てください)
でも、会社員を辞めていまフリーランスの翻訳者で生活が成り立っているのも、当時の経験のおかげです。感謝していませんが、運命的なものを感じています。
ああ、企業には感謝していませんが、私に海外営業の仕事をイロハから教えてくれた当時の上司やお客様には、感謝していますよ。
縁っていうか、宿命ですね。