和製英語はなぜ21世紀になっても生産され続けるのか?

もう何ヶ月も前の話ですが、ベテランの先輩翻訳者さんの仕事の後工程として翻訳チェックをしていた時のお話です。
クライアント様は日本の企業で、会社紹介を英訳するというプロジェクトでした。
担当の先輩翻訳者さんは、日本語原稿の「SNSを活用して…」という部分を、見逃さずにSocial Mediaと英訳していました。
TwitterとかInstagramとかFacebookとか今はなきGoogle+とかですね。 あとは、del.icio.usとかmixiとかもありましたね。
mixiはまだありますか。 失礼しました。 この記事を書いている現在は、2019年6月です。

先輩翻訳者さんのことは、さすがだなあ!と思いました。 SNSは、だいたい海外では通じない和製英語だと思ってください。
ビジネスの、特にPR系の文章を和文英訳するときには英語の読者に違和感を持たれてはよろしくないです。 「ん? 何だこの不自然な英語は。」と思われたら、貴社の信用にかすり傷がつきます。 ビジネスなのですから、通じればいいというものではないです。 貴社のサービス、商品が売れなくてはなんにもなりません。 遊びやお勉強ではないのですから…。
まあ、あえて意図的に引っかかりを作って印象を強く持ってもらって、ブランドを覚えてもらうという戦略もありますけれど…。 商人(あきんど)は愛嬌が大切だよ、とも言いますし。

それにしても、私が子どもだった頃ならともかく、これだけ(それこそ「ほにゃらら」)「メディア」が多様化していくらでも検証ができる21世紀の日本で、いまだにSNSのような和製英語がなぜ性懲りもなく生産され続けるのでしょうか。
こういう文化的な差異は、私のようなかけだしの翻訳者にとっては飯のタネですし、海外旅行でどこへ行っても同じ言葉を喋っているようなつまらない世界は願い下げなので、和製英語を批判する気はありません。 しかし不思議ですね。

それから、「ハイタッチ」。 これも和製英語ですね。 通じません。 SNSの方はどうやらアジアの一部では通じるらしいですが、ハイタッチは21世紀の満塁ホームラン級の和製英語です。 私、自信があります。

high five

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“High five”とか、単に”(Give me) five”とか言わないと、不自然な英語になります。
それから、「PETボトル」。 去年、都内の一流ホテルのゴミの分別にご協力ください的看板(サイン)で、PETボトルはこの箱へという感じの英語が使われているのを見ましたが、残念でした。 格式の高いホテルなのに。
単にプラスチックボトルと書かないと、通じないと思いますよー。 翻訳会社使ってくださいー。

なぜいまどきこんな和製英語が一般化してしまったのか、興味は尽きません。 私はなんでもかんでも標準化とか統一というのが大嫌いなので、和製英語をわざわざ排斥するつもりはありませんが、面白いです。

もっとも、「ハイタッチ」はいくらなんでもダサいと思いますが。