インド人のうなずき、あるいはインド人のコンピュータ・ソフトウェア・エンジニアに助けられた話
今日は2021年12月24日です。晴天なり。
アメリカに本社がある翻訳会社のプロジェクト管理システムに幽霊が出ました。ひとつ目は、無償のテスト・研修の案件だから報酬はもらえるわけがないのに、いつまで経っても確定注文書待ちになっていて、リストから消えません。もうひとつは、担当のプロジェクトマネージャーさんが確定注文書を出したのですがその後発注金額をゼロにしてキャンセルしたら、合意金額と発注金額が不一致になり(当然、そうなります)注文書が幽霊になりました。これも、永久に請求書を出せません。
幽霊がひとつの時は「まあいいか」と放っておいたのですが、ふたつになったので「気味が悪いから消してよ」と依頼しました。しかし、担当のプロジェクトマネージャーさんは「わかった。なんとかして消しておくよ」と言っただけで、実際には手こずっているようです。
結局、今週に専門のシステム別のベンダー・サポートに相談したらインド人がすぐに出て解決してくれました。
「最初の幽霊案件は、担当のプロジェクトマネージャーがここをこうすれば消える。プロジェクトマネージャーには連絡しておいた。二つ目の幽霊注文書は、システムのバグ。解決しようとうちのチームが働いているけど、解消するまでは無視することしかできない。ごめんね」
仕事はやっ。(笑)どうせNYCの忙しい人がクリスマス休暇目前であたふたしているだろうから、3日くらいかかるかな、と思っていたのですが数時間後には返事が来ました。インド人のソフトウェア・エンジニアは相変わらずやり手ですな。タイムゾーンも違うしね。
インド料理はもちろん素晴らしいし、今のGoogleのCEOのピチャイさんも、インド出身ですね。
Googleは…ちょっとプライバシー情報を集めすぎだけど、でもNoto CJKフォントとかMozcとか、多大な貢献をしているしそれを無料で使わせてくれているので万死には値しないです。
片や「密林」の偉いヒトの自宅前にギロチンが設置されたそうですが、むべなるかなですね。万死に値するかもしれません。
Amazo…じゃないや「密林」のおかげでLinuxやMacやFreeBSDが使いやすくなったということはまったくないので、Googleの方がエライです。Googleには感謝しています。DNSも運営しているということだし。
MozcとNotoがあるとないとでは、あまりWindowsを使わない日本人にとって、世界は全く違います。
それにしても、「密林」の創業者といい、リチャード・ブランソンといい、日本のあのおカネ配りおじさんといい、大成功した実業家はなぜどいつもこいつも宇宙に行きたがるのでしょうか。何としても大衆から搾取して宇宙空間から見下したいの?
まあゲイツやジョブズは宇宙に行きたがりませんでしたが…。
「密林の創業者とか、宇宙に行ってもいいけど、帰ってくるな」とツイートした人がいましたが、私もちょっとそう思いましたよ。そんなカネがあったら、物流倉庫で働くアルバイトの時給上げたらどうですか。
ところでインド系のひとたちとビジネスをしたことがありますか?
インド人のうなずきが難解だということはご存知でしたか?
これ ⇑ がインディアン・ノッドです。日本語にすると「インド人のうなずき」です。
顔の向きを変えずに頭を左右に交互に傾けるんですねえ、これが。
ヘッドボブルとも呼ばれるようですが…。
「わかりますよ。」
「話についていっていますよ。」
という意味だそうです。
敬意を示しているとも言えるそうです。
ただ、これは慣れていない日本人が見ると首を振っているように見えることが多いです。
これは個人的な経験ですが、私が会社員時代、海外営業の部署に配属されたときに会社がインドと比較的大きな技術供与契約をしていたことがあります。海外営業の若手としてまず経験したことは、インド人の技術者を工場に案内して、休日には東京タワーに連れていくことでした。(東京ディズニーランドも希望。ディズニーランドは妥協してもいいが、東京タワーだけは譲れない、ということでした。)工場に案内する前の夜は、緊張して夢でうなされた記憶があります。夢で英会話するとか、社畜にもほどがあるという感じですが…まあ若かったので。
あるインドからのお客様は「ノー」を言うときに一回だけだけどあごを上にちょっと動かすジェスチャーをしていました。今思いだすと「あっちいけ」とか「この皿は下げてちょうだい」みたいな意味で、多少ネガティブなんだなとわかるのですが、インド人とのコミュニケーションに慣れていない20代の日本人が見ると、頭が縦に振られているように見えます。つまり、うん、とうなずいている。
「イエス」のときに頭が左右にぐらついていて、「ノー」とか「あんまりよくない」のときに頭が(一回だけ)縦に振られているように見えるのです。
これは、混乱しますよ。
説明しているときにインド人の頭が左右にぐらつくので、「えっ? あんまりわかってくれていないの?」と思いますが、相手は「うん、うん。わかるよ」「おまえの発言をちゃんと聞いているよ」とボディーランゲージで示しているのです。
逆に(偶発的に)何回かあごを上に向けられると、うなづいているか首を縦に振っているようにしか見えません。が、これは「いや、それは要らない」とか「ちょっといやだなぁ…」と言っているのです。(口と眼が、そう言っているのです)
コミュニケーションは難しいです。私はプロの翻訳者なので、コミュニケーション上の課題はメシの種なのですけど。