COVIDと呼ぶかコロナと呼ぶか
外国人(特に非アジア人)と会話するときは、コロナコロナと連呼しないように気をつけましょう。
通じない可能性高いです…というお話です。
アメリカ合衆国テキサス州で、新型コロナウイルス感染症をでっちあげだと思った(…と語っていたことになっている)30歳の男性が「コロナパーティ」に参加し、やっぱり新型コロナウイルスに感染して亡くなってしまったというニュースを読みました。
今日は2020年7月22日ですが、原典のニュースは7月13日付のリリースです。
「コロナパーティ」という表現を使っていたのは日本語のポータルサイトのニュース記事です。
ソースを読もうとして見つかった原典と思われる英語メディアはいくらもあったのですが、私はThe Guardian紙(もちろん電子版)を読みました。
https://www.theguardian.com/world/2020/jul/13/30-year-old-dies-covid-party-texas
「コロナパーティ」に該当する英語は、The Guardian紙では COVID party です。
Corona partyとは書いてありません。
ラジオ局(インターネットラジオではなく、AM波810KHzとかの昔からあるラジオです)のAFN Tokyo(American Forces Network)を聴いていても、コロナウイルス感染症のことは、COVID(あるいはCOVID-19)と言っている場合が多いです。 ウイルスそのもののことを指すときはコロナヴァイラスと言いますけれど。
私は小学生時代からFEN(Far East Network Yokota。今のAFN)を聴いて育った男です。 生まれは都内の別のところですが東京都日野市で育ったので、毎日FENを聴いていました。 もちろんFENのDJやアナウンサーが喋っている英語はわかりませんでしたが、アメリカの最新のヒット曲がかかるFENの魅力は絶大でした。 それから、横田のエアベースが近いのでFENは受信しやすかったのです。 自作のゲルマニウムラジオでもはっきりクリアにびんびんに聞こえました。
ラジオといえば、最近では仕事中はもっぱらインターネットラジオでアメリカ合衆国カリフォルニア州のKOLA FM 99.9を聴いています。
なぜKOLA FM 99.9ばかり聞いているかというと、1970年代、1980年代のクラシックロックばかりやっているからですね。 私は1964年の生まれですから、1970年代後半と1980年代に繰り返し聴いた音楽はやはり特別です。
それから、2003年頃に会社員時代の仕事でロスアンゼルス郊外のオンタリオ市(Ontario, California)に3ヶ月出張して働いていた経験があるからでもあります。
KOLA FMでかかるクラシックロックの曲はもちろんですが、コマーシャルに出てくる現地の地名も懐かしいです。オンタリオ(Ontario)とか、チノ(Chino)とか、インランド・エンパイア(Inland Empire)とか、ランチョクカモンガ(Rancho Cucamonga)とか、サンバーナーディーノ(San Bernardino)とか、チノヒルズ(Chino Hills)とか。 懐かしいですねぇ…。 それから、コロナ(Corona)。
そうなんです。 KOLA FM 99.9のコマーシャルでも、新型コロナウイルス感染症のことはほとんどの場合COVID-19かCOVIDと呼びます。
まれにウイルスそのもののことを指すときはコロナヴァイラス(coronavirus)と言うことはあるが、いずれにしろ短縮して「コロナ」と言うことはまずありえないです。
このラジオ局のサービスエリアである南カリフォルニア(LA郊外)にはコロナ(City of Corona)という市があるからです。
日本語のメディアが新型コロナウイルスのことや、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のことを「コロナ」と短縮して言ってしまうのも、ある種の和製英語のタマゴなのかもしれません。
昔のトヨタ自動車の製品にコロナというのもあったし(あったというか、2020年5月時点でも現役で走っているそうですよ)、1995年の大友克洋監修のアニメーション映画「MEMORIES」の第一話に登場する主人公たちの宇宙船も「コロナ」という名前でした。 特撮TV番組「トリプルファイター」の主題歌も冒頭から「コロナの果て 緑の城 ぼくらの故郷(ふるさと)」というものでした。 石油ファンヒーターなど住設機器メーカーで株式会社コロナも昔から有名ですね。
知らないとは言わせません。 笑(若者は知らないか…。)
「トリプルファイターのうた」なんか、正義のヒーローの主題歌の歌詞、最初のひとことが「コロナ」です。 強烈な刷り込みですよ。
昔はどちらかというとカッコいいポジティブな外来語か英語だったわけです。
日本のメディアが配慮がないのか(トリプルファイターや株式会社コロナへの配慮です)…和製英語的には短くて発音しやすいものでないと受け入れられないのか、ちょっと考えてしまいます。
あるいは、「やっぱり製品名や屋号や会社名をつけるのは難しい」という結論になるのでしょうか。
世の中何が起こるかわかりません。 プリウスとかレクサスとかMazda3とかTesla Model 3とかカウンタックとかPeugeot 308とかルネサスエレクトロニクスとかLIXILとかきらぼし銀行とかのように、意表をついたりして消費者や顧客に「なにそれ? 意味わかんないんだけど?」と思われるような、造語っぽい名前の方が良いのかもしれません。 イメージ的に手つかずで、ブランドイメージを自分でコントロールできますから…。
でも個人事業の屋号は、何の商売をやっているのかわからない名前はやめておけ、と先輩たちにアドバイスをいただいたのですがね。
名前をつけるって、難しいものです。