新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクとフリーランス生活のお話
この記事を書いている「今日」というのは2020年2月23日のことですが、いわゆる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のエピデミックというかアウトブレイクの社会的インパクトが予想以上に大きく深くなってきています。 もう、例のカルロス・ゴーンの日本脱出劇場なんか、急速にどうでもよくなってしまいました。
正月の時点では、ヒトヒト感染はないようだとか、武漢から来た人に外出を控えてもらえばいいとか、どうせ3週間もすれば落ち着くだろうとか、私も日本社会も比較的おっとりとかまえていたのですが…じわじわと深刻さが長引きそうな雰囲気です。
私は長年勤めた会社員生活を2016年に終わらせて、やがて個人事業主になってフリーランスの在宅翻訳業に商売替えしました。 だからありがたいことに毎日通勤電車に乗って不特定多数の人たちと「濃厚接触」をしないでも何とか生活できています。 混雑した通勤電車という密集空間でウイルスをもらい、それを職場に配達してしまうかもしれないというリスクが最小限なので、気分的にとても楽です。 職場で同僚や上司と一ヶ所に集合して夜までいっしょに働くということが「濃厚接触」に当たらないかどうかは、ちょっとわかりかねますが。
ただ、事態が事態で国際的に広がりを見せ始めてしまったので、フリーランスの在宅翻訳者の商売にも影響が出てきています。 例によって詳しいことは秘密保持契約を結んでいるのでここには書けませんが、航空輸送業界やホテル・観光業界を中心にお仕事の量、価格(報酬の水準)、納期の長さが、日々変動するようになってきています。妙な時間帯にフリーランス同士で妙な仕事の争奪戦が散発的に起きているように見受けられます。 遅くまで起きているといい掘り出し物案件を拾えることがありますが、片っ端からベテランの先輩方(おそらく日本時間で商売をしていない)にさらっていかれたり、色々です。
バレンタインデーを境に、めっきりエアライン系の緊急のお仕事が減ったようにも思います。 だから、景気を冷却する要因になりつつあるのかもしれません。
私たち日本に住む日本人は、「俺たちは中国や朝鮮半島のふたつの国家とはぜんぜん違うんだ」と無意識に思いがちです。 WHOやIOCやCDCや欧州の各国にしてみればとにかく「つまり極東のあのへんの国だろう」とくくられてしまっている感じは、フリーランスの言語サービス業者になってみると割と日常的に隣り合わせです。
「あのへんで今年オリンピックを開催して、本当に大丈夫なのかな?」と不安に思っている西洋の人たちは多いはずです。
下の画像は、太平洋の向こう側から見た風に3Dっぽく変形した日本周辺の地図です。
オリンピックについては政治家や官僚のメンツと利権がかかっているので、何とかして中止や延期や開催地変更を全力で回避するでしょう。 でも、選手や観客やツーリストは現在はとても不安だと思います。
「無観客オリンピック」くらいは(可能性として)あるような気がします。
縁起でもないことを言うなッ!と関係当局からは怒られてしまいそうですが。
実は昨日(土曜日でした)は人混みにも行っていないのに少し咳が出て、鼻水もあったのでいやな予感がして、外出を控えて暖房をきかせて自宅で安静にしていました。 通勤がないって、幸せだなぁ。
失礼。
2020年4月4日 追記
番組の途中ですが、ではなくて後日談ですが、今日は2020年4月4日。 景気は明らかに後退局面に入ってしまいました。 正しくは、まだ混乱しているだけで後退局面にすら入れていないのかもしれません。
東京オリンピックは、延期になりました。 でも、開催国の日本に緊急事態宣言のXデーが迫っているような気配です。オリンピックどころではない雰囲気です。 そうなると外出や経済活動が大規模に自粛でしょう。 その間はオリンピックの準備や日程の組み直しも停止となるでしょうから、来年(2021年)には時間切れで中止になるような気がします。
米国の当局が、民間人の外出時には布製のマスクの着用を推奨するという新方針を発表しました。 去る4月1日にはアベノマスクというネタが炸裂しているので、おまじないレベルとか散々ディスられていた布製のマスクが突然毀誉褒貶入り乱れてホットな話題になっています。
当事務所(個人の、フリーランスの、翻訳事務所です)が色々と試作した自家製布マスクの仕様についての記事と、寸法と品質が安定しない自家製布マスクと組み合わせて使うと便利なアジャスターやマスク補助具についての記事(補助具1号から10号までを写真入りでご紹介しています)も好評公開中です。
御用とお急ぎでない方は、読んで行って下さい。