Thirdwave Altair diginnosを廃棄寸前にFreeBSDで救済・延命したこと
これがギリギリWindows 10なAltair diginnosだ!
すみません、朝から荒木飛呂彦調で。今日は2023年3月8日。でもこのブログエントリーを公開するのは5月くらいになると思います。
色々と事情があるので。
ヒノトリホンヤクの代表、私が会社員を辞めたのは2016年のことでした。
当初は「再就職しないと私の人生オワル」と思い込んでいて、必要以上にビビっていました。だからハローワークにも通いました。言っておきますが、雇用保険の失業給付をもらい切るためじゃないです。公益財団法人東京しごと財団にもお世話になりましたよ。
数十年振りに就職活動をしたので、履歴書と業務経歴書をWindowsで作成する必要がありました。今の世の中は、MacのユーザーでMS Officeのライセンスがない失業者にはかなりキツく当たる社会なのです。信じられないって? はっ。(笑)
実際に失業すればわかりますよ。
履歴書と業務経歴書を作成する、そのためだけの目的でとりあえずMS OfficeとWindows 10が動くだけのラップトップPCを買いました。Officeプリインストールで3万円台の格安だったと思います。めちゃくちゃな価格設定ですね。これが中古じゃないんですよ。新品だったんですわ。
DosparaでおなじみのThirdwaveのAltair diginnos(ブランドが長い!)、モデル VH-AD2です。
スペックは、Celeron N3150 1.60GHz、4GB RAM(DDR3L? ボードに直接ハンダ付け。交換増設はできません)、ハードドライブ(光学じゃないストレージのこと)は32GBくらいのeMMC。本当にギリギリです。Wi-Fiあり(あるけど、FreeBSDではまだサポートされていない)、有線LANなし(ポートがないので、私のような無線嫌いはUSB経由でなんとかしなければなりません。
こんな外観のハードウェアですよ。
(ここにラップトップPCの外観写真が見えているはずです。Chromeで見えないという方は、FirefoxかSafariでこのページにアクセスしてみてください)
MacBook Proが動かせなくなったときのために、捨てずにとっておいたチープなラップトップです。なんといってもWindows 10とMS Officeが動くのだから、非常用災害キットとしてはそうそう捨てられませんよ。2016年の就職活動をいっしょにがんばった相棒ですからね。
でも、2019年頃から次第にWindows 10のアップデートすらできなくなってきました。何しろストレージが32GBのeMMCです。 無理がたたったのでしょう。いわゆるお蔵入りモードになりました。
2022年末にはNomadBSDのインストールを試みました。挫折しました。CrunchBang++のインストールも挫折しました。(いずれもインストールはできるのだが、最後のブートローダの埋め込みで何故か失敗しました)
いよいよ廃棄(行政の小型家電の排出日に、無料)寸前まで行ったのです。
透明のゴミ袋に一度入れました。
しかし、このたび素(ス)のFreeBSD 13.1-RELEASEとOpenboxをインストールしてブートにも成功したので晴れて延命です。
急遽、廃棄は中止となりました。
但し、Wi-Fiは無理でした。NomadBSDのライブ起動でもWi-Fiが認識されていなかったので、FreeBSDがドライバを用意できていないのでしょう。CrunchBang++のライブ起動ではWi-Fiも使えたと思います。やはりドライバ関係になるとLinuxにはかなわないですね。
FreeBSD (13.1-RELEASE。 NomadBSDではない、イバラの道をあえて往く漢(オトコ)のOS、FreeBSDに栄光あれ)インストール後、XorgのGUI起動にあたっては、これまた苦労しました。
同じマシンのNomadBSD(USBライブブート)でXorgが動いているのだから、どうにでもなるだろうと思っていたのですが、甘かった。イバラの道を往く漢(オトコ)のOSは、そんなに甘くないです。
結局ジェネリックなscfbドライバでXorg起動となりました。NomadBSDではIntel用のドライバで動いているっぽいのに。おかしいですね。
まあ3日かけて実験して挫折したので、もう降参です。scfbでよしとしましょう。廃棄寸前のハードウェアだったことだし。
ここから先はエビデンスはないのですが、どうもNomadBSDではいろいろなツールを、オプション決めてportsでコンパイルしてるような気がします。してるでしょ。わかってんですよ。
コンフィグファイル真似しまくっても、FreeBSD 13.1-RELEASEの自力ド根性インストールではIntelドライバでXorg起動しないんだもん。私には無理。ギブアップです。私にしてはよくがんばった。
でもscfbドライバで妥協した後も、疲れましたね。吊るしのOpenboxじゃないから、メニューもTint2も壁紙もドックも全部自分で設定しなければなりません。まあこれがOpenboxの本来の姿なのですが。
実際、この経験でますますOpenboxが好きになりました。Ubuntuの本家とかも好きなんですが。MATEもいまでも好きだけど。
Altair diginnos VH-AD2のFreeBSD 13.1-RELEASE環境でインストールしたパッケージは、思い出せる限りで以下のようなものです。
Nitrogen, tint2, menu-maker, DSBMixer, DSBMD, DSBMC, uim-mozc, sakura, terminator, cmus, sayonara, geany, viewnior, vlc, smplayer, mpv, feh, atop, htop, neofetch, scrot, firefox, xterm, mousepad, lxappearance-obconf, dgx-dir, flat-remix-icon-theme, 1977-ob-theme, pcmanfm (Thunarはなぜかクラッシュ), cairo-dock(どういうわけかplankはクラッシュ), samba413, sudo, bpytop, gotop, gvfs,
FreeBSDに緊急事態。ストレージが不足し、結局#!++に乗り換え
記録によると、2023年3月10日のことです。Altair diginnos VH-AD2 + FreeBSD 13.1-RELEASE をギブアップせざるをえない事態に到達してしまいました。
日本語入力(と漢字変換)関係のuimとmozcのQt5関係のライブラリをなにげなくインストールしたら、ハードドライブ(覚えていますか? 32GBのeMMCです)が満杯になってしまいました。
起動ドライブに空きがなくなると、さすがのFreeBSDでも不安定になります。
トラブルシュートするエネルギーも残っていなかったので、(なんと言っても廃棄寸前だったPCですから。もう限界です。他のFreeBSD系のマシンもケアしなければなりませんしね)またまたギブアップです。
で、どうしたかというと、CrunchbangplusplusあるいはCrunchBang++あるいは#!++と呼ばれるLinuxディストリビューションをインストールしました。
Crunchbangplusplusの公式Webページはこちら。
https://www.crunchbangplusplus.org
YouTubeのビデオじゃなくちゃいやだ、というワガママな方には、こちらのレビューをご紹介します。
そうです。昔、Crunchbangという、Openboxを使った超軽量Linuxディストリビューションがあったんですね。(もう惜しまれながら開発中止になりました。)最初はUbuntuをベースにしていて、のちにDebianベースになったはずです。私も会社を辞める前に一度だけ試したことがあります。
このCrunchbangをリブートしたディストリビューションが、このCrunchbangplusplusです。DebianのStableをベースにしているようですね。
従来はAltair diginnosでCrunchbang++をインストールしても、ブートローダーのインストールに失敗していました。これは今となっては手遅れでわかったのですが、どうやらUEFIのファームウェアのバグらしいですよ。残念ながら電源を入れてもOSがブートしないという結果だったので、挫折していた組み合わせです。
しかし、今回は曲がりなりにも私自身がFreeBSD 13.1-RELEASEとOpenboxを育てた直後ですから。再度トライしました。
結論として、Crunchbang++をエキスパートモードでインストールしたら、手作業でハードドライブのパーティションを切るチャンスが与えられました。使えるCrunchbang++の爆誕です。
やったー。三たび廃棄ゴミ袋から蘇るAltair diginnos。そうです。私はFreeBSDのインストールだけなら黒帯の男ですよ。黒帯のあきらめの悪さをなめるなよ。
で、Altair diginnos + Crunchbang++ Linuxのデスクトップは、こんな感じの見た目です。
かっこいいでしょう? わかるかなぁ。わっかんねえだろうなぁ。
いや、ほんとにね。32GB eMMCのCeleron N3150マシン、RAM 4GBで増設不可の限界ラップトップでも、ジュークボックスとしてはじゅうぶん現役で働けますよ。HDなビデオをいくつかストレージに押し込んでいますが、なんとかフラストレーションに苦しまずに再生できます。
Crunchbangplusplus、おすすめできます。 Openboxの入門には最適です。