今日は2021年10月7日です。 個人の翻訳事務所ヒノトリホンヤクの本店がある東京都日野市の天気は、曇り。
突然ですが、「雀百まで踊り忘れず」といいますね。

幼少時に覚えたことはなかなか忘れないものです。 それはいいのですが、最初にへんなことを覚えてしまうとよくない癖になってしまいます。 矯正するのに苦労します。 もしかしたら、生涯矯正できないかもしれません。

私も、子どものころ(たぶん中学校に進学する前でしょう)何故か柿(カキノキの果実のことですよ)を英語で「ポンド」と言う、と学習してしまったようです。

会社員になって海外営業部門の者になってから、かなり歳上のエンジニアの同僚に「キミ、柿のこと英語でなんというか知っとるかね」と聞かれました。忘年会か何かの場面だったと思います。
「ポンド、ですかね。」と答えたら、「キミはゴルフをやらないね。はっはっは。柿と言ったらパーシモンだよ。ドライバーのヘッドの材料にパーシモンは最適なんだよ。ゴルファーならみんな知ってるよ。」と教えてもらいました。
知らないよ。 ゴルフなんかやらないよ。(笑)
ゴルフはともかく、さきほどインターネットで別名がポンドとかパウンドとかではないか、と調べたのですが、とりあえず時間の無駄でした。 柿と言ったらpersimmonか日本語系のkakiだそうです。
果物というつながりで言えばpond appleというものがあるようですが、こちらは色が緑っぽくて柿とはかなり違います。
なぜポンドと覚えてしまったのでしょうか?  もう今となってはわかりません。昔はインターネットがなかったので、裏付けを取るということができなかったんです。
勘弁してください。

学習したときの衝撃などは記憶にないのに、この歳になっても「柿はポンド」を強力に記憶してしまっているということは、たぶん偶発的に反復して学習してしまったのでしょう。 自宅にあったイラスト入りの本で何千回も読んでしまったとか…。

それから、何故か「6月」の英語が苦手です。 JuneなのかJulyなのか、一瞬考えてしまいます。
「7月の英語はJuly」「Julyは7月のこと」というのは比較的スムーズに出てくるのですが、Juneと6月はダメです。 なぜこんなことになってしまったのか、わかりません。
たぶん小学生のときに変な覚え方をして混乱してしまったのです。

今でも、「6月って英語で何だっけ?」という一瞬に、頭の中で歌を再生して確認しています。
あるんですよ。
「ジューン・ブライド。 6月の花嫁ぇー。♪」
その一節しか覚えていませんが、この歌を脳内再生することでJuneが6月だな、と確認しています。 サザエさんに出てくる波平さんの設定年齢よりも年寄りになった今でもです。最初の記憶というのはおそろしいものです。
ところで、上記の「歌」も詳細は不明です。 トワ・エ・モワかもしれません。
映画と歌の楽譜と歌詞はプロテクションが相変わらず厳しいです。

幼少期ではないですが、受験勉強などでティーンエイジャーのときに覚えたこともなかなか忘れないようです。
例えば私は今でもベルリン会議の年がすぐに言えますよ。 西暦1878年。
受験勉強のとき、語呂合わせとイラストで覚える参考書で覚えてしまったのです。
「いやなやつだよビスマルク」と覚えるのです。 「いやなや」で1878ですね。
YouTubeなんかでは、「一番街花屋のベルりんりん」という語呂合わせが提案されています。
「いち(イチ)ばんがいはなや(ハナヤ)」で1878ですか。
まあ覚えられればなんでもいいということです。
個人的には、ロシア革命の年もすぐ出てきます。 1917年です。
「引く人涙 ロマノフ家」と覚えるのです。 「ひくひとな」で1917です。

若い頃にへんな覚え方をしてしまう例としては、最近読んだニューヨークの観光についてのイラスト入りの本(むしろ日本人のプロのアーティストかイラストレータでずっと現地に住んで生活している人が書いた書籍)が印象深いものでした。

グランドゼロ

ホットドック

ビックバン

NYC在住の日本人芸術家でこれです。 「現地在住者でなければ提供できないお役立ち詳細情報」でこれです。
イラストの中の手書きの文字ですから、誤植ではありません。
これはもう、生まれが日本人なのでそういうカタカナで渡米前に覚えてしまったのでしょうね…。
かっこいいとは思いませんが、理解できます。 共感できませんが、ご同情申し上げます。
共感しませんよ。(笑)

それから、先週、世界史についての宝島社の文庫本も読んだのですが、西洋系の外来語の単語と単語のつなぎ目にすべからくナカグロ・ではなく二重ハイフン=(ここでは半角イコールで代用します)を使っていて、すごく不自然でした。
私もいい加減年寄りですから、ジャン=リュック・ゴダールとかシャルル・ド=ゴールとかオリビア・ニュートン=ジョンとかサイクス=ピコ協定はなんとかついていけるのですよ。それでもこの二重ハイフンは、たしか丸谷才一が厳しく批判していました。 旧文部省が残した悪弊の名残だ、と。
しかし、この文庫本はさらにひどかったです。
だって

クー=クラックス=クランとか
アドルフ=ヒトラーとか
マルクス=アウレリウス=アントニヌスとか
セオドア=ルーズベルトとか、

いまどき違和感全力全開じゃないですか。 KKK団なんて、人名ですらないでしょう。
たぶん、幼少期か青春時代に問答無用でそうやって覚えてしまったのでしょうね。
共感できませんが、ご同情申し上げます。