hp ProBook 430 G3 をGhostBSD化

本日は2023年3月10日。これは嘘ではないがブログの収録は2月下旬なので、天候は不明です。

OS無し状態で中古で買ったhp ProBook 430 G3の続報です。
OS無しとは言え13,000円以上の出費でした。(Yahooショッピングで買いました)
この時はThinkPadよりもToshibaのDynabookよりもhpの中古ラップトップが欲しかったのです。理由は秘密です。
2022年11月にNomadBSDの130R(FreeBSDの13.0-RELEASE+Openbox)をインストール、その後12月にNomadBSDの131R(FreeBSDの13.1-RELEASE+Openbox)に模様替えしたProBookです。しかし、どういうわけかしばらく放っておくと画面がフリーズして音がでなくなっていました。
まあ、中古で買ったときからOS無しで、なんだか訳ありっぽい存在だったからなあということで、意外ではない。そんなリスクは覚悟の上です。でも、頻繁にフリーズするPCはフラストレーションの原因です。
せっかく安定性が優秀で名高いFreeBSDなのにね。それはないでしょう。
その後(2022年12月ですが)買ったLenovo ThinkPad L450はやはりさすがにThinkPad、安定しているし信頼できます。(このThinkPad L450は楽天で9,800円で買いました)
hp ProBookは部品とって捨てちゃって、もう1台ThinkPad(こんどはX270か何か)を中古で買ってしまおうかなぁ、と思い始めていました。
このhp ProBook、スピーカーが底面ではなくキーボード面で「上」を向いているので、音楽再生マシンとして文字通り「捨てがたい」でしょう。

結局、GhostBSD+MATEをインストールして試すことにしました。

やはり翻訳の仕事と同じで、手を動かして実物をいじっているとFreeBSDの道も経験値も上がるという実感が得られるのです。
GhostBSD+MATEで満足できなかったら、CrunchBang PlusPlusを試して遊びます。NomadBSDのおかげでOpenboxの良さを思い出してしまったので、もう怖くありません。
 
GhostBSDについては、こちらの公式Webサイトを参照してください。

テキストを読むのはイヤだ、ビデオがいいというワガママな人には下のYouTubeビデオをお薦めします。このRoboNuggieという方のビデオと声は落ち着いていていい感じです。
GhostBSD 22.10.12 – No Trick, All Treat
お手軽だと言われているGhostBSDですが、個人的なチャレンジはやはりありました。
GhostBSDの問題ではありません。私個人のスキルの問題です。
NomadBSDではインストーラにお任せであった「USB接続のストレージを自動マウントする」という便利機能がGhostBSDではデフォルトではセットアップされていない。
NomadBSDインストール済みのマシン(TOSHIBAとLenovo)がせっかくあるので、それをお手本というか献体にできそうです。
今回のhp ProBook 430 G3のGhostBSDでは自力でセットアップしてみましょう。やっぱり自分の手を動かさないと、腕は上がりませんよ。
ちなみに、5年前くらいまではFreeBSDインストール遊びでは以下の機能のコンフィグレーションは割と鬼門でした。

(a) Wi-Fiによるネットワーク接続
(b) USB接続のストレージの取り回し(具体的には自動マウント)
(c) Bluetooth全般

7年前くらいまでは、ラップトップPCでのX Window Systemの起動がそもそも鬼門でした。
9年前くらいまでは、X Window Systemでのタッチパッドによるスクロール
(とくに2本指スクロール)が鬼門でした。

現在(2023年時点)でもまだBluetoothは鬼門みたいですが、とにかく、良い時代になったものです。長生きはするものです。

DSBMDとfusefsでUSB接続のストレージを自動マウント


これは案外画期的ですよ。
DSBMDについては、こちら。

こちらの日本語ブログも、参考になります。私も参考にしました。
テスト条件:
ハードウェア: hp ProBook 430 G3 (RAM 16GBに増強)
OS: GhostBSD 22.06.18 (FreeBSD 13.1-STABLE ?)
DE: MATE
ファイルシステム: ZFS
1.
DSBMD(デーモン)とDSBMC, DSBMC-Cli(クライアントのセット)をインストール。
# pkg install dsbmd dsbmc dsbmc-cli
 
 
2.
必要に応じてfusefsをインストール。私の場合、exfat, ext2, ntfsがマウントできればなんとかいけそうです。(追記:fusefs-lklもインストールしておいた方が良さそう。)
まれにZFSやUFSのUSB外付けHDDをつなぐことがありますが、FreeBSDなのでこのふたつはfusefsなどいらないでしょう。

以下をインストール。

(1) fusefs-exfat
(2) fusefs-ntfs
(3) fusefs-ext2
(4) fusefs-lkl

fusefs-lklはなんともわかりにくい初心者殺しのパッケージ名ですが、Linux系のBTRFS, Ext4, XFSを扱うfuseのようです。どうでも良くないですね。ext4くらいはマウントできる、そんなFreeBSDであってほしい。不親切な名前といえば、DSBMDも不親切です。
 
# pkg install fusefs-exfat fusefs-ntfs fusefs-ext2 fusefs-lkl
 
3.
ブート時にDSBMデーモンを有効化します。
/etc/rc.conf を編集、以下の行を追加
dsbmd_enable="YES"
4.
おまじないその1。
DSBMDはデフォルトの挙動としてストレージデバイスを通常のユーザーとしてマウントしようと試みるので、以下のおまじないが必要です。
注:GhostBSDのMATEセットアップでは、OSインストール直後から出来ていました。GhostBSD、ありがとう。

/etc/sysctl.conf に以下の行を追加。
vfs.usermount=1
5.
おまじないその2。
/boot/loader.conf に以下の行を追加。
fuse_load="YES"
6.
リブートの時間です。
 
 
7.
楽しい動作確認の時間です。

MATEが起動したら、メニューからDSBMC(DSBMのクライアント。 gtkを使ったGUI)を起動して、あとは動作確認。USBコネクタに色々なストレージを刺してみましょう。
DSBMCについてはランチャーをMATEのパネルやデスクトップに置いておくのも良いでしょう。
NomadBSDではX Window SystemというかOpenboxが起動したら自動でDSBMCも起動し、システムトレイに常駐しているようです。でも、カラクリがわかって再現できるようになったら怖くない。
手動でクライアントを起動すればいいでしょう。

話は往ったり来たりしますが、GhostBSDにしたらhp ProBookの謎のフリーズ現象は
解消しました。何回か「30時間耐久cmusで音楽再生」実験が無事に終わっているので、
これはもう大丈夫です。
同じFreeBSDなのに、なぜ症状が消えてくれたのでしょうね。
やはり、どれかのデーモンがhpと相性が悪かったのですか?
でもよかった。動けば正義。この機械はスピーカーから出る音が
比較的ガッツがあって、就寝時に音楽再生(もっぱら落語なんですが)に
使うのに都合が良いです。
捨てずに済んでよかった。


それでは、ここでGhostBSD+MATE DEマシンとして生まれ変わった
hp ProBook 430 G3のスクリーンショットをいくつか。
最終的には、きっちりと仕事をしたDSBMDと、DSBMCのアイコンが見えますよ。
まずは、GhostBSDのブートローダ。
GhostBSDのブートローダ
GhostBSD起動後のスクリーンショット。
3枚くらい。

/etc/rc.conf の中身。
# copy of /etc/rc.conf of GhostBSD (FreeBSD 13.1-STABLE)
# on hp ProBook 430 G3 date Feb. 22, 2023
# ZFS, MATE DE, Celeron, 16GB RAM
#
zfs_enable="YES"
kld_list="linux linux64 cuse fusefs /boot/modules/i915kms.ko"
linux_enable="YES"
ntpd_enable="YES"
ntpd_sync_on_start="YES"
devfs_enable="YES"
devfs_system_ruleset="devfsrules_common"
dbus_enable="YES"
lightdm_enable="YES"
webcamd_enable="YES"
cupsd_enable="YES"
avahi_daemon_enable="YES"
avahi_dnsconfd_enable="YES"
moused_enable="YES"
ipfw_enable="YES"
firewall_enable="YES"
ifconfig_re0="DHCP"
wlans_iwm0="wlan0"
ifconfig_wlan0="WPA DHCP"
keymap="jp.kbd"
hostname="ghostbsd-pc"
dsbmd_enable="YES"
sshd_enable="YES"

 

~/.xprofileの中身。
## Copy of ~/.xprofile of GhostBSD (FreeBSD 13.1-STABLE)
## on hp ProBook 430 G3
## date Feb. 22, 2023
##
#!/bin/sh
setxkbmap -model a4techKB21 -layout jp -variant OADG109A
#
export GTK_IM_MODULE=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
#
/usr/local/bin/mozc start
ibus-daemon -r --daemonize --xim
# ibus-daemon -d -x
# fcitx -r -d
くやしいのですが、fcitx+mozcだとなぜか変換のキーバインドが
カスタマイズできなかったので、Ibus+mozcにしました。
setxkbmapのモデル名が聞いたことのないA4TechKB21とか、怪しさ
全開ですが、”-layout jp”と”-variant OADG109A”で現場で問題がないのでこのままにしています。
動けば正義。
~/.xinitrcの中身。
exec mate-session

一行だけです。驚きですね。

そろそろ冬も終わりです。みなさまも良きFreeBSDライフを。