リセッションですが仕事はあるところにはあるというニュース

個人翻訳事務所ヒノトリホンヤクの代表でございます。 本日は2020年11月9日。 月曜日の朝、いまのところ天気は快晴。
大事なことなので2回言ってしまいますが、2020年11月9日です。
やっとアメリカ合衆国の大統領選挙の投票結果の集計が進み、勝負が見えてきた感じです。ご参考までに、 投票日は、2020年11月3日でした。
現職のドナルド・トランプは現時点ではまだ「私は負けていない」とねばっているそうです。 でも、イギリスの首相のボリスなんとかも日本国の首相のスガなんとかも、すでにジョー・バイデンに当選のお祝いのメッセージを送ってしまったということですから。
取り返しがつかない状態まで事態が進展した…とまでは言いませんが、トランプはとりあえず同盟国の政治的リーダーから見限られたわけです。

さて、スケジュールされていたアメリカ合衆国の大統領選挙とは別に、今年はご存知のとおり新型コロナウイルスのパンデミックが起こって世界中の社会や経済が激しく動揺しているわけですが…。 公務員、準公務員、大企業の正社員の みなさんはまだピンと来ていないかもしれませんが、世界経済はすでにリセッションに入っています。
当事務所でも、2020年3月までは某国の鉄道会社や某国の航空会社の仕事を張り切ってこなしていましたが、パンデミック以降はさすがに旅行系の業界は急速に仕事がなくなってしまいました。
それでもアメリカ合衆国の大統領選挙という大きなレギュラーイベントの出口が見えてきたせいでしょうか、ここ数日はLinkedInプラットフォーム上での問い合わせが増えています。 少しずつビジネスが再度回り始めているのかもしれません。 少なくとも、フリーランス翻訳者というリソースが現状では足らず、追加で見つける必要がある人たちが何人か出てきているのですから。

昨夜も、LinkedInでさるアジア系の方から問い合わせが。


「あなたは日英翻訳できるの? 双方向?」
「この度は、お問い合わせありがとうございます。 日英翻訳、対応しております。 双方向できます。 ご安心ください。」
「文書も、ビデオも翻訳できる?」
「できます。 どちらも経験あります。 お任せください。 ただし、ビデオの英語音声を日本語に翻訳する場合はスクリプト(タイプされたテキスト)が必要だと思います。 時間かかりますから。 私は日本語のネイティブスピーカーなので、翻訳以前に聞き取りに時間がかかってしまうかもしれません。」
「ビデオの日本語音声を英語に翻訳するときは、スクリプト要らないのね?」
「正直に言うと、実はスクリプトがあった方がいいんです。 でもさすがに日本語は私の第一言語なので、スクリプトがなくてもなんとかします。 ただし、スクリプトがいただけないのなら報酬は割増でいただきます。 納期も余計にいただきます。 すぐに聞き取れないときは、大量にタダ働きになっちゃいますから。 それは困るんです。 お互いビジネスなので、損をしないようにやりましょう。 ぜひ。」
「あなたの原稿英語1ワードあたりの翻訳料金のレートはいくらなの? それから、翻訳のスピードは? 一日当たり何ワードできる? 一時間当たり何ワードできる?」

あれ。 なんだか変ですね。雲行きが怪しい。
商売ですから、翻訳料金(報酬)の見積もりのチャンスがいただけるのはとてもうれしいのですが、よく考えてみればどんな仕事がどれだけの量いただける(かもしれない)のか、概要もわからないです。 自己紹介もなしにいきなり「日英翻訳できるの?」です。
おカネ払う気、ないんじゃないですか?
よく見たら、お問い合わせのアジア系の方はLinkedIn上では職業が「翻訳者」となっていました。 ご同業じゃないですか。 (笑)
実際には私は業界では若輩者ですから、向こうは先輩の翻訳者さんなのでしょう。 普通はそうです。 
先輩、先輩…。 先輩、困ってるだけで、カネ払う気あんまりないでしょう?

それでも、もしかしたらすばらしい縁がここから始まるかもしれません。 (無理でしょうけど。 この業界、人脈とやらのおかげで有名になったりリッチになったりした人なんかひとりもいません。) だから、取り急ぎ当事務所の標準レートをお答えしました。

「標準の報酬レートはUSD○○○ per wordでお願いしてます。 原稿のコンテンツ、納期によっては割増料金をいただきます。 キャパシティは、最大○○○○語/日です。」

一時間当たりの語数・速度については質問を無視しました。 自己紹介もなしでいきなり、失礼ですよ。
LinkedInの内部メッセージ(チャット機能)ですぐに返事が返ってきたのですが、


「Wow」

だけでした。

OMG

ウソ! 話それで終わり?!

失礼ですねぇ。
実績のある翻訳会社のヒトでもないのに、あいまいな条件で見積もりをさせて、ひとのキャパシティまで探って。
あげくに回答したら「Wow」で終わりですか?

いいかげんにしろよ

この写真はhttps://jp.freepik.com/photos/woman からいただきました

これが社会的信用というやつです。(笑)
不愉快なので、すぐにメッセージスレッドを全消去しました。

でも、おそらく彼のところには日英翻訳の仕事の話があるのです。たとえ気配だけでもあるところにはあるのです。 私は不景気というものが特に嫌いではないのですが、ポストパンデミックの世界的リセッションの現在においてビジネスの話があるところにはあるんですよ。
とりあえず朗報。