新型コロナウイルス感染症のパンデミック対策で、個人翻訳事務所ヒノトリホンヤクがある東京都は緊急事態宣言3.0が出ていますが、皆さまいかがお過ごしですか。 今日は2021年5月6日(木)です。東京のお天気は曇り的な晴れです。 ああ、あと一ヶ月で私の翻訳事務所ヒノトリホンヤクも、開業4周年です。 

先日、近所のスーパーマーケットの惣菜コーナーで「いわしのオイルサーディン」というのを見つけたので思わず買ってしまいました。 こんな感じの惣菜パッケージです。 2尾で200円。

でも、ちょっと待ってくださいよ。 オイルサーディンはイワシに決まってるので、「いわしのオイルサーディン」はおかしいのではないですか?

そうですよ。 イワシは英語でsardineです。 

ほらね。 ☺ 🐟

Overhead shot of sardines placed on a dark green plate
Wirestock – jp.freepik.com によって作成された food 写真

ビデオ(令和ふうに言うと動画)はアムステルダムの人のレシピ、オーブンで焼くイワシ(Sardine)です。
おいしそうですね。

「いわしのオイルサーディン」はおかしいですよ。
鰯を油に漬けたのがオイルサーディンなのだから、冗長です。
どうでもいいだろ細かいことを…と思う方もいるでしょうが、プロの翻訳者になってもこういう外来語が関わった冗長な表現や論理矛盾な表現に鈍感だと、職業人としてバカにされます。
一応専門職なのだから、当然ですね。

「いわしのオイルサーディン」はないでしょう。 「鶏の焼鳥」とか「ビーフ牛丼」みたいなもんですよ。
「納豆が入った納豆巻き」っていいますか? 

食べ物のというか、メニュー関係では意外とおかしな言葉は多いです。
私が学生だった頃は、大学の生協食堂のメニューに「カレーライス」と「インドカレー」というのがあって、友人と笑っていました。 カレーはインド発祥の料理ということになっているので、「なにいってるの?」というメニューです。 貧乏学生がたくさんいるので有名な大学だったので、この生協食堂のカレーライス類は安かったです。 記憶が確かなら、「カレーライス」は170円。「インドカレー」は200円。 たしか、「インドカレー」は少し色がダークで小麦粉っぽくなく、若干辛口だったです。

今もかろうじて現役なメニュー(あるいはレシピ名)は、「チゲ鍋」ですね。
チゲは韓国でポピュラーな「辛い鍋料理」だから、チゲは鍋に決まっています。 冗長です。
クックパッドなんかを見ていると「インチキなし!韓国チゲ鍋」などというさらに超冗長なレシピ名まであります。
検索対策で、冗長な名前をつけるのは最近の定番のようですから、確信犯かもしれません。 こういうのばかり目にしていると、異常が日常になって冗長な表現をなんとも思わないようになってしまいます。 気をつけましょう。
あまり人のことは言えないで、私もこのヒノトリホンヤクのWebサイトやブログを書くときは冗長側に振って書いているのですが。 申し訳ありません。 生活がかかっているのです。

わかりますよ。 みんな生活がかかっているのですよね。仕方ないです。
ブログだってWebサイトだって、2〜3行だけの短いページやエントリーばかりだと検索エンジンにあまり評価されないそうですし。 短いテキストでページ数だけ稼ぐような姑息な手は許しませんよ、ということでしょう。

メニューの中には、冗長を通り越して意味不明なものもあります。 私が学生だった頃は、当時はまだ食べ物文化の魔境だった名古屋の喫茶店メニューに「スパゲティイタリアン」というのがあると聞いて、愕然としたものです。名古屋出身の大学の後輩の女の子に「喫茶店のコーヒーにつまみのナッツがついてくるとか、スパゲティイタリアンがあるってほんと?」とからかって、嫌われてしまったことがあります。
関東の男の子は、気になる女の子にはつい意地悪をしてしまうんですよ。 ふたつでじゅうぶんですよ! わかってくださいよ!